日本でジオパーク活動が始められて20年近く。観光面や教育面で活動が蓄積される中、近年は保全の重要性も叫ばれるようになってきました。そうした中、神奈川県西部の箱根ジオパークでは初めてジオパーク保全計画が策定され、私たちもその過程を伴走支援してまいりました。
2022年度は既存のジオパークサイトや新たなサイト候補地の現地調査とサイトカルテの整備、2023年度はその所見を踏まえた保全計画の原案の立案、2024年度は各サイトの所有者・管理者をはじめとする関係者間での協議、と数々の取り組みを経て、2025年5月に計画の策定に至りました。

策定の過程では、箱根ジオパークとして守るべきものは何か改めて議論し、カルデラ火山の教科書的な存在として扱われてきた箱根火山とそれにまつわる地質遺産、日本史の舞台に度々登場してきた東海道とそれにまつわる文化遺産などが見出されました。
また、1つ1つのサイトにおける遺産をどう守っていけばよいか、過去の日本ジオパークネットワーク全国研修会で導き出された5つのステップに基づいて検討を重ね、サイトごとの保全方針も整理しました。
足かけ3年を経てようやく完成した計画。しかし本番は、この計画を実行に移すこれからです。箱根ジオパークのみなさまの次のステージ、私たちも応援していければと思います。