全国各地のジオパークや博物館を巡って開催されている企画展「地球時間の旅」。山陰海岸ジオパーク推進協議会様よりご依頼をいただき、巡回展の基本キットに山陰海岸ユネスコ世界ジオパークの価値と魅力を上乗せするかたちで、オリジナル展示の設計・制作をさせていただきました。
今回の展示会場は、兵庫県神戸市に位置する兵庫県立兵庫津ミュージアム。ジオパークエリアの外に暮らす方々にも、その壮大な大地の物語や、長い時間をかけて形成されてきた地質・地形の魅力を体感していただけるよう、企画・デザインから丁寧に取り組み、展示をご覧になった方に「行ってみたい!」と感じていただける展示空間や体験コンテンツづくりを目指しました。


オリジナル展示は、巡回展の基本キットとの調和を意識しながらも、会場の特性にあわせてデザインや解説の難易度を使い分けました。また、制作したオリジナル展示は今回限りのものではなく、会期終了後も巡回展の基本キットとは別に単体で活用できるよう、ストーリー性と構造性を両立させた設計としました。
なかでも目を引くのが、山陰海岸を象徴する3つの名所――京都府の「立岩」、兵庫県の「玄武洞」、鳥取県の「鳥取砂丘」――を高さ1.8メートル・幅3.6メートルの大型タペストリーで表現したビジュアル展示です。圧倒的なスケール感と美しい写真により、地質・地形の魅力を視覚的に伝えるだけでなく、地域観光のPRとしての役割も果たしました。


兵庫津ミュージアムでの展示はすでに終了しましたが、この展示コンテンツは今後、大阪・関西万博をはじめ山陰海岸ユネスコ世界ジオパークのさまざまなイベントやプロモーションで活用される予定です。地域の魅力をより多くの方に届ける一助となれば幸いです。お近くでご覧いただける機会がございましたら、ぜひ足をお運びください。