十勝岳ジオパーク推進協議会様よりご依頼を受け、「十勝岳火山砂防情報センター」に設置されるデジタルサイネージ向けの映像コンテンツを制作しました。
インフラツーリズムを推進する取り組みの一環として、観光資源としての十勝岳と、その背景にある火山災害の歴史と防災インフラの存在を多角的に伝えることを目的に制作したものです。
十勝岳ジオパークを構成する美瑛町・上富良野町は、青い池やラベンダー畑といった道内屈指の景勝地で知られる一方、活火山・十勝岳とともに歩んできた歴史を持つ地域です。
1926年の残雪期に発生した噴火による泥流災害は、三浦綾子の小説『泥流地帯』によって広く知られるようになりました。また、1988年のクリスマス噴火を契機に、泥流から町を守るための砂防ダムや堰堤などが整備されてきました。本映像コンテンツは、そうしたインフラと火山の営みを観光資源として捉え直す試みでもあります。
今回制作した映像コンテンツは、「十勝岳編」と「大正泥流編」の2本です。「十勝岳編」では、現在も噴気を上げ続ける火口部のドローン空撮映像に加え、噴火後に変化した植生や、美瑛・上富良野の町に残る火山由来の建材などに焦点を当て、自然と人の共生の様相を映像で描き出しました。
「大正泥流編」では、地域の資料館に保存されている写真資料をもとに、1926年の災害当時の様子や、その後の復興の歩みを紹介しました。人びとがいかにして火山災害と向き合い、生活を再建してきたかを伝えています。


加えて、ドローンによる空撮映像を用いたVRコンテンツも制作しました。十勝岳火山砂防情報センターを飛び立ち、上空から十勝岳の山容や砂防堰堤、青い池を巡る空中散歩を楽しめる内容となっており、施設来訪者に新たな没入型の体験を提供しています。
これらの映像コンテンツは、十勝岳火山砂防情報センターでご覧いただけます。


参考:
十勝岳ジオパーク https://tokachidake-geopark.jp
十勝岳火山砂防情報センター https://www.hkd.mlit.go.jp/as/tisui/ho928l0000000y23.html