コロナ禍を機に急速に進んだGIGAスクール構想。北海道三笠市では2020年度に1人1台端末が整備され、以来、教職員向けにアプリの操作方法や活用の講習会を重ねてきました。それらを礎としてさらなる展開を図るため、先進地域の視察や学校現場のICT利用実態の把握を重ね、GIGAスクール構想を三笠市においてこれからどう展開するべきか、その戦略を構築しました。
視察では、小学校2校・中学校1校のみを有する長野県下伊那郡喬木村と、小中学校合わせて100校以上を有する神奈川県相模原市を訪問しました。2地域からの学びで印象的だったのは、「ICT導入当初はアプリをどう使うかという発想で取り組んでいたが、数年を経た今ではアプリは何でもいいと感じている」との語りでした。ICTは目的ではなく手段であり、教員にとって重要なのはICTスキルではなく、それを活かした授業力である、ということです。
一方、三笠市の教職員へのアンケートからは、ICT技能や時間の不足、サポート体制の充実を訴える声が多く挙げられるなど、悩みは尽きない様子でした。しかし、スマートフォンやパソコンが生まれた時から「当たり前」のものである子どもたちにとって、端末の利用は未来の「子どもたちの生きる力を育む」ために必要不可欠な教育の一環です。
それを踏まえ、GIGAスクール構想展開戦略では、①ICT習熟度に応じた研修機会、②教員が自ら実践できるようなICTを活用した授業指導案を盛り込んだハンドブック、③外部サポート体制の構築を大きな軸として打ち出しました。
三笠市では現在、これらを実践に移すフェーズへと進んでいます。私たちも地元企業として、精一杯のご支援をさせていただければと思っております。